複合材

成形プロセスの影響を考慮した異方性材料のシミュレーション、配合方法による複合材料の材料特性の変化の考察
Horizontal spacer
基本となる材料を強化するために別の材料を組み合わせて1つの材料のような挙動を持たせたものを複合材料(複合材)と呼びます。複合材料や複合材料で作成された製品は優れた性能が期待されますが、その一方でエンジニアにとっては、悩みの種でもあります。
複合材料の多くは、方向によって材料挙動ことなる異方性の性質を持ちます。また、成形方法によっては製品内部の場所によって異方性の強さやその向きが異なることもあります。
 
弊社エムエスシーソフトウェアでは、
・成形プロセスの影響を考慮し、複合材料製品の挙動を予測する構造エンジニアリング
・どのような材料をどのように組み合わせれば目的の材料に近づけられるかを検証する材料エンジニアリング
など複雑な複合材料設計の高度化、改善に役に立つソリューションをご用意しております。
 
弊社のソリューションは、プラスチックをはじめとした樹脂の複合材料や合金、セラミクスに適用できるほか、開発中の先進的な複合材料に至るまで幅広く適用できます。

 

対象とする複合材料の種類

 
SFRPで作られた製品は製造プロセスの影響を強く受けます。
短繊維の配向は樹脂の流れに依存し、材料物性は異方性を持ちます。
その結果製品内部でも材料物性が異なる非常に複雑な状態をモデル化しなければ、解析の精度を得ることができません。
さらに、ウェルドラインや残留応力といった製造プロセスに起因する要因も、製品の性能に影響を与えます。
エムエスシーソフトウェアでは樹脂流動解析結果の繊維配向を利用して、製品内部で局所的に異なる材料物性を与えることにより、高精度なSFRPの解析を実行するソリューションをご用意しております。
 
関係する製品
複合材料モデリングプラットフォームDigimat
Digimat
非線形構造解析Marc
Marc
複合領域FEAソリューションMSCNastran
MSC Nastran
 
LFRPでは、製品内部の繊維の含有率や繊維の長さに分布がある場合があり、それらはSFRPと同様に製造プロセスの影響を強く受けます。
そこで、SFRPの枠組みを踏襲し、射出成形などの製造プロセスの影響を考慮して、長繊維の配向を定義し、上記のような長繊維特有の効果を評価することができます。
 
関係する製品
複合材料モデリングプラットフォームDigimat
Digimat
非線形構造解析Marc
Marc
複合領域FEAソリューションMSCNastran
MSC Nastran
 
一方向複合材(UD材)は、最適な材料特性を調整するための自由度が高い材料です。熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂は、ガラス、カーボン、アラミドなどの異なるタイプの繊維で強化されています。UD繊維は直線状でちぢれていません。またラミネート加工では、UD材の各層(プライ)は、繊維の体積分率、プライの厚さおよび配向を変えた特定の順序で積層されます。この結果、最終的な複合材料の部品構成において可能な限り最高の面内特性が得られます。最適な方法で材料特性を使用ことができることが、UD材の最も基本的な設計原理です。
UD材を使用する際にUD材を使用した部品の材料特性が良いことは、高性能構造部品の設計において自由度の高い設計を可能にします。しかしながら、これらの材料の欠点は、製造プロセスが遅く、高価であり、これが設計プロセスに影響を及ぼすことです。このため、UD材をシミュレーションを用いて設計することは、費用対効果の高い開発を行うために日に日に重要性が高まってきています。
Patranに付属するPatran Laminate Modelerはラミネート・ドレーピング加工時のUD材の向きを計算し、構造解析ソルバーに受け渡すことが可能です。MarcやMSC Nastran、MSC ApexはUD材の向きを考慮した構造解析を行うことができます。また、Digimatを利用することで、構造解析ソルバーで使用するUD材の特性を、均質化手法を用いてより緻密に表現することができます。
 
関係する製品
複合材料モデリングプラットフォームDigimat
Digimat
コンピュテーショナルパーツベースCAEシステムMSC Apex
MSC Apex
非線形構造解析Marc
Marc
複合領域FEAソリューションMSCNastran
MSC Nastran
CAE環境統合プリポストソフトウェアPatran
Patran
 

DFCはチップまたはストランドと呼ばれる切断されたUD(一方向材料)スライスで構成されています。 DFCは含有率100%までのストランドを含むことができます。高性能構造物(高性能車、技術的なスポーツおよびレジャー機器など)において、利用率が高まっています。昨今、DFCへ関心の高まってきている背景としては、DFCが従来の複合材料が適していない複雑な形状への適応性が高いという点にあります。さらに、DFCは従来の複合材と比較して高い生産処理能力があります。

また、DFCは材料寸法に対して構成ストランドの大きさが大きいことから機械的特性にバラツキが見られます。したがって、数値シミュレーションツールを用いることで、実験に必要な時間と工数の大幅な削減が期待できます。DigimatはDFCをモデリングするための数値解析ツールを提供しています。

DFCのミクロ構造(微視構造、微細構造)のモデル化のためにDigimatのオプションであるDigimat-FEではボクセル化技術を活用しています。Digimat-FEは、有限要素法を利用した完全場均質化法によって材料応答を評価します。それは、ストランドの体積分率が100%であってもにモデル化でき、空隙等の新たな層を追加することが可能です。メッシュ生成は高速で安定性があります。Digimat-FEのもつこれらの機能はミクロ構造の機械的な特性のばらつきを評価することを可能にします。さらに、マクロな挙動に対するミクロ構造特性(ストランドの平均配向テンソル、構成相の特性、ストランドのサイズなど)の影響の評価も可能です。

 
関係する製品
複合材料モデリングプラットフォームDigimat
Digimat
非線形構造解析Marc
Marc
 

織物複合材料製品の多くは一般に、ドレープ処理と呼ばれる製品表面への貼り込み処理が行われて製造されます。ドレープ処理は、経糸および緯糸の局所的な角度に著しい影響を及ぼし、それに伴って材料特性が局所的に変化する可能性があります。したがって、織物複合材料のミクロ構造の違いによって得られる材料特性が、最終的に製品性能にどの程度影響するのかを理解することは、織物複合構造の設計プロセスにおいて、非常に重要な知見であると言えます。

弊社の複合材料モデリングプラットフォームのDigimatは織物複合材料製品の設計に有効な機能を提供しております。

まず織物複合材料の平均的な材料物性を織りパターンや糸構造を考慮して求めます。織物複合材料のミクロ構造として、2Dのミクロ構造のほか、経糸が複数の緯糸を横断する2.5Dの織りパターンにも対応しております。

構造解析では、ドレーピングソフトウェアと連携し、ドレープ処理に基づく繊維配向を考慮して違法性の材料を割り当てることができます。材料モデリングは、非線形材料や温度依存性・ひずみ速度依存性を考慮した材料を適用できます。破壊は、実験的に観察された強度を微視的な影響を考慮した破壊則で定義できます。

織物複合材料設計の多くは未だオーダーメイドであり、高性能で汎用性の高いシミュレーションによる方法が有効であると言えます。このDigimatによるシミュレーションは、航空宇宙、自動車(レーシング)、海洋、風力技術、スポーツ用品業界の設計に多くご利用いただいております。可能な限り最高の剛性および強度特性を有する織物複合材料の設計による軽量化を目的として織物複合材料の解析ソリューションとして、Digimatをご利用いただいております。

 
関係する製品
複合材料モデリングプラットフォームDigimat
Digimat
コンピュテーショナルパーツベースCAEシステムMSC Apex
MSC Apex
非線形構造解析Marc
Marc
複合領域FEAソリューションMSCNastran
MSC Nastran
CAE環境統合プリポストソフトウェアPatran
Patran
 

タイヤ、防振システム、シールやホースなどはゴムをベースにした部品であり、埋め込まれた介在物によって材料特性が調整されます。 例えばタイヤはミクロな視点では、介在物としてカーボンブラックや雲母を、母材であるゴムと混合し、特定の特性を有するゴム複合材料を作成します。 (ベルトエッジでは、鋼繊維の織り構造がタイヤの接地面をコントロールします。)

Digimatは、ミクロスケールからマクロスケールに至るまで複雑なゴム複合材料の材料特性を調べる手段を提供します。 代表体積要素(RVE)での研究・開発・評価を介して、材料応答をミクロなレベルで理解することができます。 均質化による材料設計は、異方性を持つ材料特性を求めるための数値実験を行うことができ、適切な材料の配合・選定に使用できます。求めた材料特性は介在物が含まれるゴム材料の複雑な異方性の物性を平均場均質化法を用いて1つの材料モデルで表現することができ、有限要素解析ソルバーで用いる材料モデルとして、直接使用することが可能できる、汎用性の高い材料モデルとなります。この材料モデルは非線形や大変形の状態にも対応しています。

関係する製品

複合材料モデリングプラットフォームDigimat
Digimat
非線形構造解析Marc
Marc

 

複合材料モデリング技術

MSC Software製プロダクトは、様々な複合材のモデリングに使用されています。
  • 炭素繊維強化複合材(CFRPなど)
  • 積層複合材の設計
  • CZM(Cohesive Zone Modeling)
  • キュアリングおよび収縮
  • 損傷許容性
  • 層間剥離
  • 積層モデラーによるドレーピング
  • 疲労解析
  • せん断重ね継手の解析
  • 第1層破壊 – Hill、Tsai-Wu、Hashin、Puckなど
  • ハニカムサンドイッチ構造
 
  • マクロ構造解析
  • マイクロ構造解析
  • 複合構造のマルチスケールモデリング
  • 非線形挙動
  • 粒子強化材
  • 進展型層破壊
  • スプリングバック
  • ナノ複合材
  • 積層構造物の応力解析
  • 温度依存性
  • VCCT(Virtual Crack Closure Technique)
業界別使用例:
  • 航空宇宙および防衛:エンジン室、補助翼、レードーム、飛行機パネル、フロア、ドア、遮熱材、翼構造物、方向舵、ヘリコプタ胴体、動翼、衝撃保護
  • 自動車:車体パネル、シャーシ、バンパー、ブレーキローター、運転席、トリミング、計器パネル
  • 消費財:スポーツ用品、包装、電子システム用ヒートシンク、自転車フレーム、ヘルメット、家具、建築材料
  • エネルギー:風力タービン翼、ソーラーパネル、海洋構造物(厚肉チューブ、海中パイプ、タンクなど)
  • 医療:補綴学、装具学、耐荷重インプラント、手術用機器、内視鏡/腹膜鏡装置、吸引/洗浄装置
 

設計段階で製造問題を特定し対処することは、かなりのコスト削減になります。

例えば、多くの複合材構成要素は、曲面上に多数の積層のドレーピングが必要になります。これは、材料のせん断、過度の伸縮、および繊維方向の著しい変化につながる可能性があります。過度のせん断は製造上の困難につながることがあり、繊維が望ましい方向から大きく逸脱している場合、欠陥を持つ構造になる可能性があります。

MSCのアルゴリズムは、曲面や複雑なサーフェスにドレープする繊維方向および単方向と織積層のせん断の予測を考慮することで、この問題に対処します。

 

MSC Softwareのソリューションを使用すると、荷重スペクトル全体で複合構造の挙動を検討することができます。これらの構造の応答を正確に予測するために、線形/非線形解析の両方を実行することができます。

  • 線形および非線形静解析
  • 線形および非線形過渡解析
  • 実固有値解析
  • 座屈解析
  • 直接またはモーダル周波数応答解析
  • 直接またはモーダル複素固有値解析
  • 直接またはモーダル過渡応答解析
  • 熱伝導解析
  • 熱-構造連成解析

使いやすい接触セットアップは、複合構造の設計に必要なロバスト性と精度を提供しながら、モデリング労力を大幅に節減します。

 

複合材料の不均質性および積層化された性質により、複数の破壊メカニズムは、稼働中の複合材のパフォーマンスに影響を与えます。

損傷(ダメージ)の蓄積は、徐々にパフォーマンスの低下および最終破壊につながります。

  • 進展型破壊解析:最大応力、最大ひずみ、Hill、Hoffman、Tsai-Wu、Hashin、Puck、Hashin-Tape、またはHashin-Fabricを含む複数の破壊基準のいずれかを用いて材料の破壊進展を予測
  • 剥離:接着剤モデリング技法(CZMT)を用いて、積層間の結合の弱化と破壊を解析
  • き裂進展:より良いき裂進展抵抗を持つ製品を設計するために、VCCT(Virtual Crack Closure Technique)を用いてき裂伝播をシミュレーション
 

MSCの設計最適化ソリューションは、ユーザーの設計を最適化し、材料コストの節約を可能にします。

複合材料は、特定のアプリケーションに適合するように設計できます。しかし、物理プロトタイプを作成することによる設計の試行錯誤は、非常に高価です。MSCの設計最適化ソリューションは、重量を最小化し、個々の積層厚さと方向を求めることにより、設計を最適化して材料コストを節約します。

形状、サイズ、およびトポロジー最適化を含む完全な最適化機能スイートを活用することで、ユーザーはより速く革新することができます。

 

Digimatは、様々なFEA解析で使用する機械的、熱的、電気的特性を計算するために、複合材料のミクロ/マクロスケール解析の実行を可能にします。

例えば成形材料の場合、通常エンジニアは、材料情報を収集し、Moldflow、3D-Sigma、Moldex3D、Simpoe、または他の射出成形シミュレーションソリューションからの方向データを連携してモデリングを開始します。 Digimat-MAPは、射出成形メッシュから残差応力と温度を計算し、理想的な構造FEAメッシュを定義します。

ここから、エンジニアは、MSC NastranまたはMarcなどの商用FEAプログラムにこれらのパラメータをインポートすることができます。また、複合材とその構成要素のテストデータを検証するためにDigimatのMF、MX、FEモジュールを使用することができ、有用な材料の候補を検討することができます。

 

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