Hexagon調査レポート:より持続可能な電気自動車開発に向け、自動車メーカーのジレンマが明らかに

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Hexagon独自レポート「Recharging the Automotive Market」より

【プレスリリース翻訳版、英国、コブハム発 2022年4月12日】

 

  • 現在の自動車メーカーには、電気自動車に隠された二酸化炭素排出量問題の解決よりも、コストや航続距離などのセールスポイントを優先させる圧力に晒されている。
  • 本調査では、電気自動車メーカーの注力分野と課題、優先順位、収益性と市場投入までの時間を効率化するスマートマニュファクチャリング戦略が示されている。

 

電気自動車(EV)開発に関するHexagon独自の調査によると、自動車メーカーの多くは、電気自動車の隠された環境への影響に対して厳しい目が向けられているにもかかわらず、電気自動車の二酸化炭素排出量の削減よりも、航続距離の向上やコスト削減に重点を置いていることが明らかになりました。この調査は、世界的なテクノロジー企業であるHexagonのManufacturing Intelligence事業部が発表したものです。毎年生産される全自動車の95%はHexagonのテクノロジーに関わっています。

 

電気自動車はテールパイプ排出をなくす一方で、化石燃料で生成された電力の需要を増加させる「長いテールパイプ」を生み出しており、自動車や使い捨て電池を製造するためにエネルギー集約的な材料やプロセスに依存しています。Volvoの最近の報告書では、電気自動車は工場出荷時、ガソリン車より「はるかに汚染されている」と発表されています。電動ドライブトレインのための資源抽出が非常に炭素集約的であるため、「収支が合う」ためには電気自動車はガソリン車と比較して約2倍の走行距離を記録する必要があるのです。

 

このように電気自動車に対して厳しい目が向けられるようになっているにもかかわらず、現在、より持続可能な電気自動車設計への投資を増やしているのは自動車メーカーの38%だけで、これは、店頭で消費者にアピールできるポイントへの投資よりもはるかに低い優先順位となっています。具体的には、

  • 84%が電気自動車の航続距離向上への投資を強化
  • 60%が生産・小売コストの低減を可能にする設計への投資を強化
  • 58%が電気自動車の性能向上への投資を強化

していることが、調査の結果明らかになりました。


電気自動車開発の投資目的

 

こうした要素は全て、電気自動車の環境性能をガソリン車よりも向上させるものの、電気自動車の環境性能を十分に発揮させるには別の障壁があることも今回の調査で明らかとなりました。環境に優しい電気自動車を実現するための課題について尋ねたところ、多くの自動車メーカー(56%)が、電池用のレアアース金属の代替品不足を主な障害として挙げました。また、半数(49%)がリサイクル可能な電池材料の不足を懸念しており、リサイクルプログラムやインフラの整備不足(47%)がそれに続きました。

 

HexagonのManufacturing Intelligence事業部、Global eMobility Industry 副社長のIgnazio Denticiは次のように述べています。「今回の調査結果は、持続可能性には単に排出ガスを削減するだけでなく、自動車のライフサイクル全体における製造や材料への影響を理解することが必要であるということを明らかにしており、自動車業界で受け入れられる認識を反映しています。しかし、このような認識にもかかわらず、自動車メーカーは、電気自動車が道路交通の環境負荷を低減するという本来の目的を確実に果たすことよりも、消費者への販売競争に対するプレッシャーのほうが強いことも明らかとなりました」

 

「自動車業界は、競争が激化する環境下で、サプライチェーンの大きな課題に直面しながらも、航続距離、生産コスト、持続可能性の向上を追求するため、かつてないスピードでイノベーションに取り組まなければならない状況となっています。 消費者の要望とバランスを取りながら、ネットゼロ目標をより早期に達成するためには、リサイクル可能な自動車を作るだけでなく、あらゆる部品の持続可能なソリューションの開発をサポートする、インテリジェントなデータに基づいた製造アプローチを採用する必要があります。工場から消費者、そしてその先にいたるまで、循環型経済を目指した設計をしてこそ、今後数年間のエネルギーや材料の需要を減らすことができるでしょう」

 

よりスマートな製品開発・製造アプローチを採用した企業では、市場投入までの時間を25%短縮できたと報告されています。この手法では、より軽量でリサイクル可能な材料を生産し、より自律的な製造を行うことで、消費者の要求と地球への影響の間の緊張を解消し、環境に優しい設計のコストと開発期間を段階的に削減・短縮することができます。 さらに、設計、試験、エンジニアリングを同期させることで、物理的な試験や製品の欠陥を劇的に減らし、エンジニアが図面段階から効率と持続可能性の向上に取り組む機会を提供することが示されています。

 

電気自動車の生産拡大における最大の障害の1つは、現状のチップ不足に代表されるサプライチェーンの脆弱性であり、73%が必要量の材料調達を課題に挙げています。 この調査では、スマートマニュファクチャリングの推進者が、生産の垂直統合や、材料のライフサイクルにわたるエンドツーエンドの可視化と制御を可能にするオープンデジタルエコシステムなど、さまざまな方法でこうした問題に対処していることが強調されています。

 

レポート「Recharging the Automotive Market」は、Wards Intelligence社とInforma Tech Automotive グループ (ITAG)が、世界の自動車サプライチェーンでeMobilityの設計・製造における意思決定者416名を対象に実施した包括的調査に基づいて、Hexagonが作成したものです。

 

調査の全結果、電気自動車への移行における障害解決のために実施されていること、2030年と2040年の業界の予定着地点については、レポートの全文をご覧ください。

https://emobility.hexagonmi.com/recharging-the-automotive-market 

 

※引用したボルボの報告書については、同社のプレスリリースを参照しています。https://www.media.volvocars.com/global/en-gb/media/pressreleases/289951/volvo-cars-calls-for-more-clean-energy-investment-to-realise-full-climate-potential-of-electric-cars 

※レポート「The Recharging the Automotive Market」は編集のため差し替えられることがあります。

※調査から得られたテーマ別の図表およびグラフは、印刷ならびにWeb上で入手可能です。

以上

 

Hexagonについて

Hexagon はセンサとソフトウェア、自動化ソリューションのグローバルリーダーです。産業、製造、インフラ、安全、モビリティの業界において、効率性、生産性、品質の向上を担っています。当社のテクノロジーは、都市と生産のエコシステムを形成し、連携と自動化を加速させ、スケーラブルで持続可能な未来を実現します。

HexagonのManufacturing Intelligence事業部は、設計・エンジニアリングデータ、生産データおよび計測データを活用して、製造工程をよりスマートに変革します。詳細情報は、hexagonmi.comをご覧ください。

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